1.特定技能制度とは

特定技能制度は、深刻な人手不足に直面する産業分野において、一定の専門性や技能を備えた外国人材を「即戦力」として受け入れ、日本の経済・社会基盤を維持することを目的としています。
本制度の最大の特徴は、現場で特段の育成や訓練を受けることなく、直ちに一定程度の業務を遂行できる水準の技能を有する人材を確保できる点にあります。
2.特定技能制度の概要
特定技能制度の最大の特徴は、深刻な人手不足に直面する産業分野において、一定の専門性・技能を備え、現場で「即戦力」として活躍できる外国人材を受け入れる点にあります。

在留資格「特定技能1号」と「特定技能2号」
育成就労制度との連続性
特定技能制度は、2027年開始予定の「育成就労制度」との円滑な接続を前提として設計されています。 3年間の育成就労期間を良好に修了し、技能検定3級相当および日本語能力A2相当以上に合格することで、特定技能1号への移行時に必要な技能・日本語試験が免除されます。これにより、育成就労(3年)から特定技能1号(5年)を経て、さらには2号移行による無期限雇用へと、自社の業務に精通した優秀な人材を長期的・安定的に確保できる道筋が整っています。
「即戦力」としての技能・日本語能力
特定技能1号として活動するためには、分野別の技能試験および日本語試験(JLPT N4またはJFT-Basic以上)への合格が原則として必要です。 これにより、入国した時点ですでに特段の育成・訓練を受けることなく、直ちに一定程度の業務を遂行できる水準にあることが担保されています。ただし、前述の通り育成就労(または従来の技能実習2号)を良好に修了した人材については、これらの試験が免除される仕組みとなっており、実務経験に裏打ちされた戦力として迎え入れることが可能です。
登録支援機関による義務的支援
特定技能1号外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)には、外国人が日本での生活や業務を安定的かつ円滑に行えるよう、「10項目の義務的支援」を登録支援機関に支援の全部を委託することで、法令を遵守した適正な受入れを継続することが可能となります。
3.特定技能外国人の要件
特定技能外国人として活動するためには、技能水準と日本語能力水準の双方で、国が定める以下の基準を満たす必要があります。
特定技能1号の要件
特段の育成・訓練を受けることなく現場の業務を遂行できるレベルが求められます。
- 技能水準
分野別の技能測定試験に合格すること、または育成就労(もしくは技能実習2号)を良好に修了していること。
- 日本語能力
日本語能力試験(JLPT)のN4以上、または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)への合格。※育成就労の良好な修了者は免除されます。
- 年齢・健康状態
18歳以上で、就労活動に支障のない健康状態であること。
特定技能2号の要件
自らの判断で高度な業務を遂行できる、あるいは監督者としてチームを統括できる熟練した技能が求められます。
- 技能水準
1号よりも難易度の高い「特定技能2号評価試験」への合格、または技能検定1級等の合格。
- 日本語能力
制度全体としての共通試験はありませんが、一部の分野ではN3相当以上の能力が求められる場合があります。
- 実務経験
建設分野や飲食料品製造など、多くの分野で「班長」や「監督者」としての経験が求められます。
- 年齢・健康状態
18歳以上で、就労活動に支障がのない健康状態であること。
育成就労制度と特定技能制度の比較
| 比較項目 | 育成就労 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
| 制度の目的 | 特定技能1号水準の人材育成・確保 | 国内の深刻な人手不足の解消 | 熟練した技能による長期的な貢献 |
| 在留期間 | 原則3年間 | 通算で上限5年間 | 制限なし(更新可) |
| 技能水準 | 未経験から育成 (目標:技能検定3級相当) | 相当程度の知識・経験 (即戦力) | 熟練した技能 (監督者レベル) |
| 日本語能力 | 入国時:A1相当(N5等)以上 | A2相当(N4等)以上 | 分野によりN3相当以上 |
| 家族帯同 | 基本的に不可 | 基本的に不可 | 要件を満たせば可能(配偶者、子) |
| 転籍(転職) | 一定要件下で本人意向の転籍が可能 | 同一分野内での転職が可能 | 同一分野内での転職が可能 |
| 受入れ枠 | 職員数に応じた人数枠あり | 原則なし(建設・介護はあり) | なし |
4.受け入れ可能な職種
特定技能人材を受け入れられる職種は下記の通りとなります。
なお、受け入れ可能職種は変動する場合がありますので、最新情報は出入国在留管理庁ホームページをご確認ください。
※「介護」「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」は特定技能1号のみ
介護 | 身体介護(介護を受ける人の状況にあわせて入浴、食事、排せつ介助等)、その他身体介護に付随する業務等 ※特定技能1号のみ | ビルクリーニング | 建築物内部の清掃 |
工業品製造業 | 【機械金属加工区分】 鋳造、機械加工、工場板金、機械検査、塗装、金属熱処理、鍛造、金属プレス加工、機械保全、電気機器組立て、溶接、強化プラスチック成形、ダイカスト、鉄工、仕上げ、プラスチック成形、工業包装 【電気電子機器組立て】 機械加工、機械保全、プリント配線板製造、強化プラスチック成形、仕上げ、電子機器組立て、プラスチック成形、機械検査、電気機器組立て、工業包装 【金属表面処理】 めっき、アルミニウム陽極酸化処理 【紙器・段ボール箱製造】 紙器・段ボール箱製造 【コンクリート製品製造】 コンクリート製品製造 【RPF製造】 RPF製造 【陶磁器製品製造】 陶磁器工業製品製造 【印刷・製本】 印刷、製本 【紡織製品製造】 紡績運転、染色、たて編ニット生地製造、織布運転、ニット製品製造、カーペット製造 【縫製】 婦人子供服製造、下着類製造、帆布、座席シート縫製、紳士服製造、寝具製作、布はく縫製 | 建設 | 【土木区分】 さく井工事、舗装工事、しゅんせつ工事、造園工事、大工工事、とび・土工工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、塗装工事、防水工事、石工工事、機械器具設置工事 【建築区分】 大工工事、とび・土工工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、塗装工事、防水工事、石工工事、機械器具設置工事、内装仕上工事、建具工事、左官工事、タイル・れんが・ブロック工事、清掃施設工事、屋根工事、ガラス工事、解体工事、板金工事、熱絶縁工事、管工事 【ライフライン・設備区分】 板金工事、熱絶縁工事、管工事、電気工事、電気通信工事、水道管施設工事、消防施設工事 |
造船・舶用工業 | 造船、舶用機械製造 | 自動車整備 | 自動車の日常点検整備、定期点検整備、特定整備、特定整備に付随する業務 |
航空 | 空港グランドハンドリング、航空機整備 | 宿泊 | フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の宿泊サービスの提供 |
自動車運送業 | バス・タクシー・トラックの運行業務、接遇業務、荷役業務 ※特定技能1号のみ | 鉄道 | 軌道整備、電気設備整備、車両整備、車両製造、運輸係員 ※特定技能1号のみ |
農業 | 施設園芸、畑作・野菜、果樹、養豚、養鶏、酪農 | 漁業 | 漁業、養殖業 |
飲食料品製造業 | 酒類を除く飲食料品製造業全般(飲食料品の製造・加工、安全衛生) | 外食業 | 外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理) |
林業 | 育林、素材生産、育苗、原木生産 ※特定技能1号のみ | 木材産業 | 製材業、合板製造業等 ※特定技能1号のみ |
※2026年6月時点